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グローリア・ライフ・クリエイト(以下、GLC)が管理する関東一都三県の賃貸物件の情報を集計し、各行政区やエリアごとの平均賃料や㎡あたりの賃料データ、階数による違いなどについて分析した【2025年7月版】GLC賃貸市場レポートを公開します。

※本調査内容の転載にあたりましては、「グローリア・ライフ・クリエイト調べ」のクレジットを付記の上、ご使用いただきますよう、お願い申し上げます。

2025年7月 首都圏(一都三県)の賃貸データ

2025年7月の賃貸データです。首都圏全体で見ると、東京都(平均賃料65,323円)を中心に、神奈川県(58,166円)、埼玉県(59,819円)、千葉県(59,451円)と、同心円状に賃料が分布する構造が継続しています。前月と比較すると、東京都(-0.68%)、神奈川県(-2.37%)、埼玉県(-0.15%)、千葉県(+0.63%)と、全体的に安定した推移となりました。

夏本番を迎えた7月は賃貸市場の閑散期に入り、6月に続いて落ち着いた動きとなっています。都心部ほど平均専有面積は小さく、㎡当たりの賃料は高くなる傾向が継続しており、東京都の㎡単価は3,643円と前月比で微増(+0.41%)し、高水準を維持しています。

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡単価(円/㎡)
東京都65,323円18.70㎡3,643円/㎡
神奈川県58,166円20.42㎡2,933円/㎡
埼玉県59,819円25.29㎡2,431円/㎡
千葉県59,451円25.81㎡2,359円/㎡

2025年7月 東京都の賃貸データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡単価(円/㎡)
千代田区82,500円27.49㎡3,004円/㎡
中央区77,000円22.85㎡3,429円/㎡
港区161,857円47.25㎡3,745円/㎡
新宿区80,043円19.53㎡4,214円/㎡
文京区124,636円39.09㎡3,198円/㎡
台東区87,417円26.84㎡3,512円/㎡
墨田区58,127円15.45㎡3,827円/㎡
江東区63,070円14.54㎡4,391円/㎡
品川区81,092円21.66㎡3,874円/㎡
目黒区80,000円20.98㎡3,867円/㎡
大田区68,348円18.69㎡3,791円/㎡
世田谷区81,409円23.74㎡3,644円/㎡
渋谷区76,200円20.68㎡3,872円/㎡
中野区81,592円22.48㎡3,902円/㎡
杉並区73,866円20.04㎡3,798円/㎡
豊島区68,283円18.79㎡3,856円/㎡
北区69,261円20.87㎡3,510円/㎡
荒川区59,920円15.68㎡3,901円/㎡
板橋区65,037円18.62㎡3,558円/㎡
練馬区66,931円20.87㎡3,401円/㎡
足立区52,925円15.46㎡3,484円/㎡
葛飾区54,068円15.52㎡3,540円/㎡
江戸川区62,651円17.33㎡3,798円/㎡
八王子市68,793円26.31㎡2,616円/㎡
立川市66,190円17.45㎡3,849円/㎡
武蔵野市74,196円18.94㎡3,950円/㎡
三鷹市59,950円21.21㎡2,828円/㎡
府中市60,680円20.15㎡3,048円/㎡
調布市68,571円19.17㎡3,624円/㎡
小金井市65,778円19.96㎡3,401円/㎡
小平市63,160円28.24㎡2,406円/㎡
国分寺市64,100円19.37㎡3,334円/㎡
国立市110,000円51.91㎡2,140円/㎡
狛江市66,000円22.50㎡2,940円/㎡
東久留米市72,615円44.70㎡1,672円/㎡
多摩市70,818円25.92㎡2,765円/㎡
西東京市71,140円25.34㎡2,904円/㎡

2025年7月版 東京都 GLCレポートサマリー

東京都全体の概要

  • 平均賃料:65,323円(前月比:-0.68%)
  • 平均専有面積:18.70㎡(前月比:-1.48%)
  • 平均㎡単価:3,643円(前月比:+0.41%)

地域別の特徴

都心三区では、港区の平均賃料が161,857円と高水準を維持し、千代田区(82,500円)、中央区(77,000円)も横ばいで推移しています。㎡単価は港区3,745円、中央区3,429円と前月と同水準です。

城西エリアでは、世田谷区が81,409円(前月比+0.47%)と安定、渋谷区は76,200円(前月比-3.35%)と小幅下落、新宿区は80,043円(前月比+3.14%)と回復しました。中野区は81,592円と引き続き高水準です。

城東エリアでは、江東区の㎡単価が4,391円と引き続き都内最高水準で、台東区は87,417円(前月比-3.29%)と小幅調整となりました。墨田区の㎡単価は3,827円と高水準を維持しています。

城北エリアでは、文京区が124,636円(前月比-12.07%)と調整局面に入り、北区は69,261円(前月比-3.05%)、豊島区は68,283円(前月比-2.87%)とやや下落しました。

2025年7月の東京都の賃貸傾向

東京都の賃貸市場は7月も安定的に推移しており、平均賃料は微減したものの㎡単価は上昇し、効率性重視の傾向が継続しています。新宿区の回復と文京区の調整など、エリア間での循環的な動きが見られます。専有面積の縮小と㎡単価の上昇という組み合わせは、立地の良さとコンパクトな住空間を重視する需要動向を反映しています。高級住宅地である港区は引き続き最高額エリアとしての地位を維持し、足立区や葛飾区などは相対的に手頃な賃料水準となっています。

2025年7月 神奈川県の賃貸データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡単価(円/㎡)
横浜市56,885円19.52㎡2,952円/㎡
川崎市65,948円22.98㎡3,125円/㎡
相模原市48,833円24.25㎡2,128円/㎡
横須賀市51,200円19.45㎡2,618円/㎡
平塚市59,000円22.10㎡2,655円/㎡
大和市50,967円25.41㎡2,115円/㎡

横浜市区別データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡単価(円/㎡)
鶴見区60,828円20.25㎡3,042円/㎡
神奈川区60,714円18.62㎡3,325円/㎡
西区58,250円21.48㎡2,721円/㎡
中区52,945円18.32㎡2,895円/㎡
南区53,280円18.65㎡2,862円/㎡
磯子区52,100円18.21㎡2,853円/㎡
金沢区54,083円21.72㎡2,698円/㎡
港北区60,755円17.32㎡3,511円/㎡
戸塚区52,600円14.52㎡3,605円/㎡
港南区51,875円18.98㎡2,727円/㎡
旭区53,515円20.42㎡2,598円/㎡
青葉区28,500円16.00㎡1,781円/㎡
保土ケ谷区66,680円28.25㎡2,572円/㎡

川崎市区別データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡単価(円/㎡)
川崎区60,500円16.52㎡3,650円/㎡
幸区65,625円22.25㎡2,945円/㎡
中原区62,750円19.02㎡3,392円/㎡
高津区82,800円35.10㎡2,956円/㎡
多摩区59,915円19.32㎡3,170円/㎡
麻生区61,382円18.48㎡3,308円/㎡

2025年7月版 神奈川県 GLCレポートサマリー

神奈川県全体の概要

  • 平均賃料:58,166円(前月比:-2.37%)
  • 平均専有面積:20.42㎡(前月比:-3.40%)
  • 平均㎡単価:2,933円(前月比:-0.88%)

地域別の特徴

横浜市は平均賃料56,885円(前月比:-1.16%)と小幅下落しました。港北区の㎡単価は3,511円(前月比-0.45%)と高水準を維持、戸塚区は㎡単価3,605円(前月比-0.44%)と引き続き突出しています。

川崎市は平均賃料65,948円(前月比:-2.46%)と調整局面に入りました。高津区(82,800円)が最も高く、川崎区の㎡単価は3,650円と県内最高水準を維持しています。

相模原市は48,833円(前月比:-1.28%)と小幅下落となりました。

2025年7月の神奈川県の賃貸傾向

神奈川県では、6月の川崎市大幅上昇から一転して調整局面となり、横浜市・川崎市ともに小幅下落となりました。専有面積も3.40%縮小しており、全体的に需要が落ち着いていることがうかがえます。それでも川崎区の㎡単価3,650円など、東京都心へのアクセスが良好なエリアでは高い水準を維持しています。相模原市など郊外エリアでは引き続き手頃な賃料水準となっており、立地による格差が継続しています。

2025年7月 埼玉県の賃貸データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡単価(円/㎡)
さいたま市60,852円22.68㎡2,709円/㎡
川越市55,833円24.11㎡2,351円/㎡
川口市62,548円25.87㎡2,488円/㎡
所沢市53,214円21.55㎡2,450円/㎡
春日部市60,357円36.12㎡1,852円/㎡
狭山市50,250円26.78㎡1,865円/㎡
草加市49,808円21.83㎡2,259円/㎡
越谷市60,250円22.56㎡2,652円/㎡
蕨市57,750円16.93㎡3,401円/㎡
戸田市67,200円39.60㎡1,683円/㎡
新座市80,313円38.30㎡2,085円/㎡
八潮市58,067円24.54㎡2,360円/㎡
富士見市55,889円22.20㎡2,498円/㎡
ふじみ野市69,118円31.88㎡2,183円/㎡

2025年7月版 埼玉県 GLCレポートサマリー

埼玉県全体の概要

  • 平均賃料:59,819円(前月比:-0.15%)
  • 平均専有面積:25.29㎡(前月比:-1.05%)
  • 平均㎡単価:2,431円(前月比:+0.62%)

地域別の特徴

さいたま市は平均賃料60,852円(前月比:-1.14%)と小幅下落、専有面積は22.68㎡(前月比:-1.00%)と微減しました。

川口市は62,548円(-1.82%)と下落、川越市は55,833円(-1.36%)と小幅調整となりました。新座市は80,313円(-1.16%)と県内最高水準を維持、戸田市は専有面積39.60㎡と引き続き広い物件が特徴です。

2025年7月の埼玉県の賃貸傾向

埼玉県はほぼ横ばいで推移しており、安定した市場環境が継続しています。さいたま市・川口市・川越市ともに小幅下落となり、全体的に落ち着いた動きとなっています。新座市など一部エリアでは8万円台の高額物件も見られますが、全体としては広い専有面積と手頃な賃料というコストパフォーマンスの高さを維持しています。㎡単価の微増(+0.62%)は、効率的な物件への需要シフトを示唆しています。

2025年7月 千葉県の賃貸データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡単価(円/㎡)
千葉市45,206円23.76㎡1,952円/㎡
市川市63,885円23.98㎡2,766円/㎡
船橋市59,180円24.25㎡2,500円/㎡
松戸市55,587円26.60㎡2,102円/㎡
習志野市64,125円26.48㎡2,407円/㎡
柏市54,563円25.08㎡2,195円/㎡
八千代市50,000円28.88㎡1,721円/㎡

2025年7月版 千葉県 GLCレポートサマリー

千葉県全体の概要

  • 平均賃料:59,451円(前月比:+0.63%)
  • 平均専有面積:25.81㎡(前月比:+0.51%)
  • 平均㎡単価:2,359円(前月比:+0.17%)

地域別の特徴

市川市は63,885円(前月比:-1.54%)と小幅下落したものの県内最高水準を維持、船橋市は59,180円(-1.21%)、松戸市は55,587円(-1.15%)とやや下落しました。千葉市は45,206円(-1.09%)と小幅調整となりました。

2025年7月の千葉県の賃貸傾向

千葉県は前月の大幅調整から一転して微増となり、市場が安定化の兆しを見せています。千葉市は引き続き45,206円と一都三県で最も手頃な賃料水準を維持しており、コストパフォーマンスの高さが際立っています。市川市や船橋市など東京アクセスが良好なエリアでも小幅下落となりましたが、広い専有面積(25.81㎡)と比較的手頃な賃料という特徴は変わらず、ファミリー層や広い住空間を求める層にとって魅力的な選択肢となっています。

2025年7月 階数別賃貸データ

関東一都三県 階数別賃料・平均面積データ

階数平均賃料 (円)専有面積の平均 (㎡)賃料㎡単価 (円/㎡)
1階60,659円18.32㎡3,451円/㎡
2階65,629円20.19㎡3,406円/㎡
3階64,078円18.58㎡3,661円/㎡
4階70,119円23.21㎡3,084円/㎡
5階70,792円23.86㎡2,903円/㎡
6階67,788円26.95㎡2,453円/㎡
7階88,118円31.25㎡2,971円/㎡
8階90,727円38.24㎡2,680円/㎡
9階72,600円27.50㎡2,655円/㎡

東京都 階数別賃料・平均面積データ

階数平均賃料 (円)専有面積の平均 (㎡)賃料㎡単価 (円/㎡)
1階61,873円17.44㎡3,656円/㎡
2階67,321円19.86㎡3,545円/㎡
3階64,712円17.55㎡3,875円/㎡
4階71,935円22.27㎡3,308円/㎡
5階76,042円24.25㎡3,062円/㎡
6階84,215円31.74㎡2,576円/㎡
7階128,333円52.51㎡3,141円/㎡
8階88,500円36.85㎡2,814円/㎡
9階98,571円28.95㎡3,523円/㎡

階数別の特徴

  • 低層階(1〜2階):


    1階平均賃料60,659円、専有面積18.32㎡。2階は65,629円、20.19㎡。㎡単価は3,400円台と高め。全体物件数の約76%が集中。

  • 中層階(3〜5階):


    3階平均賃料64,078円、専有面積18.58㎡。5階になると70,792円、23.86㎡と拡大。3階の㎡単価は3,661円と特に高い。

  • 高層階(6〜9階):


    8階が平均賃料90,727円と最高額、7階も88,118円と高額帯。7・8階は30㎡超と広い専有面積が特徴。9階は72,600円とやや下がる。

東京都の階数別特徴

東京都では階数による格差がより顕著で、7階は128,333円(前月比-1.6%)と突出した高額帯。9階は98,571円、3階の㎡単価が3,875円と最高値です。

階数別賃貸市場の傾向

階数が上がるほど賃料・専有面積が上昇する傾向が継続しています。㎡単価は3階で最高となり、中層階で一旦低下後、高層階で再び上昇するU字型のパターンが見られます。東京都では階数による格差がさらに顕著で、7階物件は一都三県平均より約46%高い賃料となっています。眺望や日当たりなどの付加価値が高層階で評価されている一方、コストパフォーマンスでは中層階が有利な構造となっています。

まとめ

2025年7月の首都圏賃貸市場は、夏の閑散期を迎え全体的に安定した推移となりました。東京都(-0.68%)、神奈川県(-2.37%)、埼玉県(-0.15%)で小幅下落、千葉県(+0.63%)は微増となっています。

地域別では、東京都の新宿区(+3.14%)の回復と文京区(-12.07%)の大幅調整、神奈川県の川崎市(-2.46%)と横浜市(-1.16%)の小幅下落、千葉県の市場安定化など、エリアごとに異なる動きが見られました。

階数別データからは、8階90,727円を頂点として、高層階ほど専有面積が広く賃料も上昇する傾向が継続していますが、㎡単価は3階が最も高く(3,661円)、階数による付加価値とコストパフォーマンスの二極化が継続しています。

7月の賃貸市場は全体として小幅な調整局面にありますが、㎡単価は東京都(+0.41%)、埼玉県(+0.62%)で上昇しており、コンパクトで効率的な立地条件を重視する傾向は変わっていません。夏の閑散期を迎えた市場では、地域や物件特性による選別がより明確になっており、立地条件や建物グレードなど、詳細な要素による差別化が重要性を増していると言えるでしょう。

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