
【書評】最短5年で家賃年収1000万円になる方法
2025.3.4
賃貸経営の成功には、時代に応じた戦略と、長年の経験から得られる深い洞察が必要です。プロフェッショナルとして賃貸経営で成果を上げ続けている不動産投資家の著書を取り上げ、その知見を掘り下げていきます。
今回は、『最短5年で家賃年収1000万円になる方法』(たまっち・著)を紹介します。
『最短5年で家賃年収1000万円になる方法』
ベテランの不動産投資家が、ゼロの状態から、もう一度不動産投資を始めるとなった場合、どのような戦略で資産を拡大していくでしょうか。
不動産投資を取り巻く環境は刻一刻と変化しており、10年前5年前と今では当然ながら不動産投資の市場環境は全く異なります。1年前でも景気動向や金利の影響などによって、投資判断に必要なポイントは変わっており、ベテラン投資家自身が不動産投資を始めた当時のノウハウがそのまま通用するかは難しいかもしれません。
そういったなかで、今回紹介する『最短5年で家賃年収1000万円になる方法』は、時代の変化に左右されにくく普遍的な、そしてリスクを極力抑えたかたちで堅実な不動産投資の始め方・運用方法のノウハウを紹介しています。
著者であるたまっち氏は、新聞社や教育系の企業で勤めたのち、2016年に独立。不動産投資はサラリーマン時代の2012年から開始し、現在では”僕の家賃収入は年間約4600万円。年間のキャッシュフロー(税引き前)は、約2000万円です。“とあるように、専業大家として安定した資産を築いています。
本書はタイトルからもわかるように、家賃収入で1000万円得る方法について解説していますが、単なる投資ノウハウ本ではありません。年収500万円、貯金300万円の35歳サラリーマンの主人公が、たまっち氏と出会うことで、不動産投資のノウハウについて学びながら成長していく物語構成で、初心者であってもわかりやすく順序立てて物件選定のポイントや運用、資産拡大などについて理解できる工夫がなされています。
特筆すべきは、著者が紹介する「投資家としての姿勢づくり」です。
- 一日1時間はポータルサイトでの物件検索や資料請求、不動産投資の勉強をする
- 不動産用の名刺を作る
- 99%買えなくても、必ず現地を見に行く
など、一見すると回り道とも思えるアドバイスの数々が、実は投資家としてのマインドセットを形成する重要な要素となっていることを、理由とともに丁寧に説明しています。
それだけでなく、
- 物件目は借り入れせずに現金で購入できる中古の戸建て賃貸のオーナーチェンジ物件を選ぶという、リスクを抑えた参入方法
- 一度価格交渉に失敗した物件でも1~3カ月ごとに連絡をして指し値で買えないかを確認する粘り強い交渉術
- 物件を徐々に拡大していく過程で、最初に現金購入した無抵当の戸建て物件を共同担保として活用する融資戦略
など、実践的なノウハウやテクニックも存分に紹介されています。
本書でたまっち氏は繰り返し、「なぜ不動産投資をするのか」「投資を通じて実現したい生活とは何か」という本質的な問いかけを読者に投げかけます。単なる年収アップが目的なら、転職やその他の投資など様々な選択肢がある中で、なぜ不動産投資なのか。その答えを、読者自身が見出せるよう導いていきます。
本書あとがきにある”僕は必ずしも「不動産投資をして、会社を辞めよう!」とすすめているわけではありません。不動産投資で副業収入を得ながら、会社勤めを楽しんでやっていくのもまたひとつの選択。すべては、人生の「軸」をもとに判断すればいいのです“という言葉は、著者の投資哲学を端的に表しています。
初心者はもちろん、ベテランオーナーが、もし自身が本書の登場人物の立場だったら、どのように投資を行っていくかを想像しながら読み進めても面白い一冊です。
『最短5年で家賃年収1000万円になる方法』たまっち・著/清談社Publico/2024/5
Keyword