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『不動産投資で絶対にやってはいけない18のこと』森田匡貴・著

賃貸経営の成功には、時代に応じた戦略と、長年の経験から得られる深い洞察が必要です。プロフェッショナルとして賃貸経営で成果を上げ続けている不動産投資家の著書を取り上げ、その知見を掘り下げていきます。

今回は、『不動産投資で絶対にやってはいけない18のこと 弁護士が初めて明かす失敗事例と回避策』 (森田匡貴・著/日刊現代/2026年1月)です。

不動産投資の「やってはいけない」を、弁護士が実例で解説

不動産投資関連の書籍の多くは、投資のメリットや魅力を押し出しつつ、リスクや失敗の危険性にも触れています。ただ、そのリスク解説が抽象的にとどまり、具体的な判断基準まで踏み込んでいないものも少なくありません。

たとえば、こんな疑問はないでしょうか。

  • キャピタルゲインを狙った物件の転売は、どこからが宅建業法違反となるのか
  • 賃貸借契約の解除事由となるのは、家賃滞納が何カ月が目安なのか
  • 入居者との物件明け渡しの交渉はどのように進めればいいのか

こうしたあやふやになりがちな問いに対し、18個の事例とともに具体的な対策方法まで示しているのが本書です。

著者の森田氏は、弁護士・税理士・宅建士として不動産・建築に関わる法務サポートに携わりながら、自身も法人を設立して不動産投資を実践しています。現場と法務、両方の視点を持つ実務家として、自らの経験やこれまで相談のあったトラブル事例を元に、「物件選定編」「売買契約編」「工事請負契約編」「賃貸契約編」の4章に分けて不動産投資の法務リスクを網羅的に解説しています。

先述の転売を繰り返す行為は、宅建業法違反として逮捕・刑事罰を受ける可能性があります。しかしその境界線は明確に定義されているわけではなく、本書では宅建業法の解釈をわかりやすく紹介するとともに、無資格者でも問題のない転売パターンも解説しています。グレーゾーンを「知らなかった」では済まされない世界で、実務的な道案内をしてくれる書籍は多くありません。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉があります。負けるときには必ず油断・慢心・戦略ミスなどの原因が存在するという考え方は、スポーツやビジネスに限らず、不動産投資でも変わりません。失敗には必ず理由があり、失敗パターンを事前に把握しておくことこそが「失敗しない投資」への近道です。

著者は「おわりに」の中でこう述べています。

不動産投資の世界が単なる「不労所得」ではなく、知識と経験、そして誠実な姿勢によって支えられている <略> どのテーマにも共通するのは「情報不足が最大のリスクである」

弁護士として数多くのトラブルを見てきた著者だからこそ、この言葉には重みがあります。

投資を始めたばかりの人はもちろん、経験を積んだ投資家が「自分の判断は本当に正しいか」を確かめるためにも手元に置いておきたい一冊です。法律の知識は守りの武器であり、本書はその武器の使い方を教えてくれます。

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