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『不動産投資デビュー99人の成功法則』奈湖ともこ・著

賃貸経営の成功には、時代に応じた戦略と、長年の経験から得られる深い洞察が必要です。プロフェッショナルとして賃貸経営で成果を上げ続けている不動産投資家の著書を取り上げ、その知見を掘り下げていきます。

今回は、『不動産投資デビュー99人の成功法則』 (奈湖ともこ・著/清談社Publico/2026年1月)です。

数字だけでは語れないエモーショナルな不動産投資 説話集

巷では、小泉八雲とその妻・セツをテーマにした朝ドラが話題です。ギリシャ生まれの八雲が日本の怪談に惹かれたのは、怪談の裏にある人間の普遍的な情念(愛、憎しみ、嫉妬、執着)に魅せられたからと言われています。

古来からの伝承に人間の普遍的な教訓を見出す——今回紹介する『不動産投資デビュー99人の成功法則』も、様々な投資家による99個の事例から、不動産投資の教えや戒めを説く、まさに現代の不動産投資説話集です。

著者であり、不動産投資界の語り部ともいえる奈湖氏は、自身で「元ギャル大家」と称するように、10代では高校を中退しギャルに。その後22歳でアパート投資を始め、現在では年間賃料収入5000万円、キャッシュフロー2600万円の大家です。その傍らで不動産投資のコミュニティを運営し、これまで1000人以上のサポートを行ってきた経歴があります。

さて、本書が他の不動産投資本と一線を画しているのは、数字やデータでは分からない不動産投資のエモーショナル要素を豊富な事例によって紹介している点です。

怪談というジャンルの中に、「耳なし芳一」や「ろくろ首」「雪女」といった説話があるように、10人の投資家がいれば10個の投資方法があり、物件や時期、金利、年齢、属性、家族構成などなにひとつ同じものはありません。

なかでも印象に残ったのがCase24で紹介している”「仮面夫婦」が不動産投資で仲直り“の事例です。

家庭内でもほとんど会話がないような、いわゆる仮面夫婦状態“だった二人。奥さんが戸建て投資を始め、大手ハウスメーカーに勤める建築士の夫がリフォームを手伝ったことで、再び夫婦のコミュニケーションが生まれました。そればかりか夫は投資の世界に魅了され、1年ほどでアパートを4棟購入、今では夫婦で力を合わせて運営しているといいます。

不動産がきっかけで夫婦仲まで改善された、本当に素晴らしい事例です“とまとめられるように、キャッシュフローや利回り、切った張ったの不動産投資の世界に、ハートウォーミングなエピソードが紹介されるのは、まさに本書ならではの特徴でしょう。

また、不動産投資で成功する共通点として、99個の事例を通して見えてくるのは、決して諦めない投資家の姿勢です。

年収300万円から2000万円までの段階的な年収や属性での成功事例や、思わぬ落とし穴や失敗例なども紹介されており、自身に近しい状況の人が如何に投資判断を行っているのかもきっと見つかるはずです。
不動産投資はやっぱり、「動いた人」だけが結果を出せる世界“という言葉の通り、いかに行動を起こすのか、失敗のリスクをどのように切り抜けるのか。様々な投資家の生の声から学べる本書は、不動産投資を検討している初心者から、すでに実践中の投資家まで、自身の投資状況に合わせて何度も読み返したくなる一冊です。

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