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グローリア・ライフ・クリエイト(以下、GLC)が管理する関東一都三県の賃貸物件の情報を集計し、各行政区やエリアごとの平均賃料や㎡あたりの賃料データ、階数による違いなどについて分析した【2025年5月版】GLC賃貸市場レポートを公開します。

※本調査内容の転載にあたりましては、「グローリア・ライフ・クリエイト調べ」のクレジットを付記の上、ご使用いただきますよう、お願い申し上げます。

2025年5月 首都圏(一都三県)の賃貸データ

2025年5月の賃貸データです。首都圏全体で見ると、東京都(平均賃料65,927円)を中心に、神奈川県(59,901円)、埼玉県(59,800円)、千葉県(59,086円)と、同心円状に賃料が分布する構造が継続しています。前月と比較すると、東京都(+0.55%)、神奈川県(+0.67%)で微増、埼玉県(+0.03%)と千葉県(-0.07%)ではほぼ横ばいとなりました。

春の引越しシーズンを経て、賃貸市場は安定期に入っています。引き続き都心部ほど平均専有面積は小さく、㎡当たりの賃料は高くなる傾向が顕著です。東京都の㎡単価は3,475.33円と前月比で0.53%上昇し、高水準を維持しています。

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡ 単価(円/㎡)
東京都¥65,92718.97¥3,475
神奈川県¥59,90121.31¥2,811
埼玉県¥59,80025.41¥2,353
千葉県¥59,08625.67¥2,302

2025年5月 東京都の賃貸データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡ 単価(円/㎡)
千代田区¥82,50027.49¥3,001
中央区¥77,00022.85¥3,370
港区¥144,50041.31¥3,498
新宿区¥83,28420.41¥4,081
文京区¥135,00041.71¥3,237
台東区¥90,23228.89¥3,123
墨田区¥58,60915.5¥3,781
江東区¥63,04714.54¥4,336
品川区¥82,55022.28¥3,705
目黒区¥83,28621.63¥3,850
大田区¥70,47419.47¥3,620
世田谷区¥66,78016.73¥3,992
渋谷区¥93,25022.01¥4,237
中野区¥63,29418.18¥3,482
杉並区¥59,83917.97¥3,331
豊島区¥63,76418.65¥3,420
北区¥64,25218.33¥3,505
荒川区¥61,52916.6¥3,707
板橋区¥65,10519.6¥3,322
練馬区¥63,02318.79¥3,354
足立区¥56,51916.55¥3,415
葛飾区¥54,61416.15¥3,382
江戸川区¥58,05517.12¥3,390
八王子市¥55,00022.9¥2,402
立川市¥56,70018.02¥3,147
武蔵野市¥80,20022.85¥3,510
三鷹市¥62,00019.33¥3,208
府中市¥68,33321.3¥3,208
調布市¥79,43325.58¥3,106
町田市¥41,80016¥2,613
小金井市¥62,33320.34¥3,065
小平市¥54,00022.42¥2,409
国分寺市¥60,00021.4¥2,804
清瀬市¥54,40017.4¥3,126

2025年5月版 東京都 GLCレポートサマリー

東京都全体の概要

  • 平均賃料:65,927円(前月比:+0.55%)
  • 平均専有面積:18.97㎡(前月比:0.00%)
  • 平均㎡単価:3,475.33円(前月比:+0.53%)

地域別の特徴

都心三区では、港区の平均賃料が144,500円と最も高く、千代田区(82,500円)、中央区(77,000円)が続きます。㎡単価は3,000円台後半~4,000円と高水準です。

城西エリアでは、渋谷区が93,250円と前月比約18.2%上昇した一方、世田谷区は66,780円と17.5%下落しました。新宿区は83,284円と微増しています。

城東エリアでは、江東区の㎡単価が4,336.11円と都内最高水準で、専有面積は14.54㎡と特に狭小です。墨田区も3,781.23円と高い㎡単価を維持しています。

城北エリアでは、文京区が135,000円と高水準ながら前月比3.20%下落、足立区は56,519円と6.30%上昇しました。北区は64,252円と11.4%下落しています。

2025年5月の東京都の賃貸傾向

東京都の賃貸市場は安定期に入り、賃料は前月比0.55%の微増にとどまっています。エリア間格差が拡大しており、渋谷区の上昇と世田谷区の下落、足立区の上昇と北区の下落など、地域による選別が進行しています。専有面積は横ばいで㎡単価は微増し、効率性よりも立地重視の傾向が続いています。高級住宅地である港区や文京区は引き続き高額エリアとしての地位を維持しており、葛飾区や足立区などは相対的に手頃な賃料水準を保っています。

2025年5月 神奈川県の賃貸データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡ 単価(円/㎡)
横浜市¥61,06821.77¥2,805
川崎市¥55,75419.61¥2,844
相模原市¥53,50020.3¥2,635
藤沢市¥70,00019.2¥3,646
海老名市¥53,00017.08¥3,102

横浜市各区の賃貸データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡ 単価(円/㎡)
鶴見区¥61,17220.48¥2,986
神奈川区¥61,10718.79¥3,252
西区¥63,52724.58¥2,584
中区¥53,35118.47¥2,888
南区¥53,04818.92¥2,803
磯子区¥52,45918.35¥2,858
金沢区¥54,33321.87¥2,484
港北区¥61,19217.45¥3,506
戸塚区¥53,00014.64¥3,620
旭区¥53,90320.58¥2,619
青葉区¥29,00016.25¥1,784
保土ケ谷区¥67,13628.43¥2,361

川崎市各区の賃貸データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡ 単価(円/㎡)
川崎区¥61,00016.66¥3,661
幸区¥66,00022.4¥2,946
中原区¥63,25019.16¥3,301
高津区¥83,75434.73¥2,411
多摩区¥60,36819.45¥3,103
麻生区¥61,66718.62¥3,311

2025年5月版 神奈川県 GLCレポートサマリー

神奈川県全体の概要

  • 平均賃料:59,901円(前月比:+0.67%)
  • 平均専有面積:21.31㎡(前月比:+0.66%)
  • 平均㎡単価:2,810.93円(前月比:+0.00%)

地域別の特徴

横浜市は平均賃料61,068円(前月比:+6.22%)と回復基調にあります。港北区の㎡単価は3,506.70円と高く、鶴見区(61,172円)も高水準を維持しています。保土ケ谷区は28.43㎡と特に広い物件が特徴です。

川崎市は平均賃料55,754円(前月比:-17.82%)と大幅下落しました。高津区(83,754円)が最も高く、川崎区の㎡単価は3,661.46円と突出しています。

相模原市は53,500円(前月比:+8.44%)と上昇傾向にあります。

2025年5月の神奈川県の賃貸傾向

神奈川県では、横浜市と川崎市で対照的な動きが見られます。横浜市は前月の調整から回復し6.22%上昇、専有面積も10.01%拡大した一方、川崎市は17.82%の大幅下落となりました。相模原市では8.44%上昇し、郊外エリアへの需要シフトの兆しが見えます。全体としては賃料が微増、専有面積も拡大しており、より広いスペースを求める傾向があります。

2025年5月 埼玉県の賃貸データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡ 単価(円/㎡)
さいたま市¥59,00024.5¥2,408
川越市¥60,50028.98¥2,088
川口市¥58,50021.53¥2,717
所沢市¥60,71424.74¥2,454
春日部市¥63,80025.36¥2,516
上尾市¥57,46726.95¥2,132
草加市¥53,00024.73¥2,143
越谷市¥59,50035.39¥1,681
蕨市¥62,50028.25¥2,212
戸田市¥83,00064.4¥1,289
朝霞市¥73,00036¥2,028
坂戸市¥59,00027¥2,185

2025年5月版 埼玉県 GLCレポートサマリー

埼玉県全体の概要

  • 平均賃料:59,800円(前月比:+0.03%)
  • 平均専有面積:25.41㎡(前月比:0.00%)
  • 平均㎡単価:2,353.40円(前月比:+0.02%)

地域別の特徴

さいたま市は平均賃料59,000円(前月比:-4.15%)と下落、専有面積は24.50㎡(前月比:+6.94%)と拡大しました。

川口市は58,500円(-8.01%)と下落、川越市は60,500円(+6.97%)と上昇するなど、東西で対照的な動きが見られます。戸田市は専有面積64.40㎡と特に広い物件が特徴です。

2025年5月の埼玉県の賃貸傾向

埼玉県は全体として安定推移していますが、地域差が顕著です。さいたま市では賃料下落・専有面積拡大と調整局面が見られる一方、川越市では上昇が確認されています。川口市の下落と川越市の上昇という東西の対照的な動きは、都心アクセスより住環境重視の傾向を示唆しています。相対的に広い専有面積と手頃な賃料という特徴を維持しており、コストパフォーマンスを重視する層に魅力的です。

2025年5月 千葉県の賃貸データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡ 単価(円/㎡)
千葉市¥54,50023.71¥2,299
市川市¥67,55027.91¥2,421
船橋市¥61,00025.74¥2,370
松戸市¥58,27523.04¥2,529
習志野市¥68,00053.3¥1,276
柏市¥57,25025.51¥2,244
流山市¥58,00042¥1,381
鎌ケ谷市¥60,00025.75¥2,330

2025年5月版 千葉県 GLCレポートサマリー

千葉県全体の概要

  • 平均賃料:59,086円(前月比:-0.07%)
  • 平均専有面積:25.67㎡(前月比:+0.08%)
  • 平均㎡単価:2,301.75円(前月比:-0.14%)

地域別の特徴

市川市は67,550円と県内最高水準、船橋市は61,000円(+2.27%)、松戸市は58,275円(+3.63%)と上昇しています。特筆すべきは千葉市の54,500円(+18.48%)という大幅上昇です。

2025年5月の千葉県の賃貸傾向

千葉県は極めて安定した推移を見せていますが、千葉市の18.48%という大幅上昇が特徴的です。それでも平均賃料54,500円と手頃な水準を維持しており、コストパフォーマンスの高さが魅力となっています。市川市や船橋市など東京アクセスが良好なエリアでは引き続き堅調な需要があり、広い専有面積と比較的手頃な賃料という特徴を保っています。

2025年5月 階数別賃貸データ

関東一都三県 階数別賃料・平均面積データ

階数平均賃料 (円)専有面積の平均 (㎡)賃料㎡単価 (円/㎡)
1階¥61,63118.88¥3,264
2階¥66,00120.52¥3,216
3階¥64,09518.75¥3,418
4階¥69,92022.78¥3,069
5階¥74,64926.34¥2,834
6階¥72,83828.1¥2,592
7階¥95,89538.51¥2,490
8階¥90,72738.24¥2,372
9階¥99,25040.61¥2,443

東京都 階数別賃料・平均面積データ

階数平均賃料 (円)専有面積の平均 (㎡)賃料㎡単価 (円/㎡)
1階¥62,72217.8¥3,523
2階¥67,65320.04¥3,375
3階¥64,76917.71¥3,657
4階¥71,95722.26¥3,232
5階¥81,33327.3¥2,979
6階¥84,69431.97¥2,649
7階¥130,44454.03¥2,414
8階¥88,50036.85¥2,401
9階¥100,71429.31¥3,436

階数別の特徴

  • 低層階(1〜2階): 1階平均賃料61,631円、専有面積18.88㎡。2階は66,001円、20.52㎡。㎡単価は3,200円台と高め。全体物件数の約77%が集中。
  • 中層階(3〜5階): 3階平均賃料64,095円、専有面積18.75㎡。5階になると74,649円、26.34㎡と拡大。3階の㎡単価は3,418.40円と特に高い。
  • 高層階(6〜9階): 9階が平均賃料99,250円と最高。7・8階は38㎡超と最も広い。㎡単価は8階が2,372.57円と最も低く、コストパフォーマンスが高い。

東京都の階数別特徴

東京都では階数による格差がより顕著で、7階は130,444円と突出。3階の㎡単価が3,657.20円と最高値です。

階数別賃貸市場の傾向

階数が上がるほど賃料・専有面積が上昇する傾向が継続しています。㎡単価は低層階ほど高く、8階で最低となり、9階で再び上昇するというパターンが見られます。東京都では階数による格差がさらに顕著で、7階物件は一都三県平均より約36%高い賃料となっています。眺望や日当たりなどの付加価値が高層階で評価されている一方、コストパフォーマンスでは中高層階が有利です。

まとめ

2025年5月の首都圏賃貸市場は、春の引越しシーズンを経て安定期に入りました。東京都(+0.55%)、神奈川県(+0.67%)で微増、埼玉県(+0.03%)と千葉県(-0.07%)ではほぼ横ばいとなっています。

地域別では、東京都の渋谷区(+18.2%)と世田谷区(-17.5%)、神奈川県の横浜市(+6.22%)と川崎市(-17.82%)、埼玉県の川越市(+6.97%)と川口市(-8.01%)、千葉県の千葉市(+18.48%)など、同じ都県内でも対照的な動きが見られ、地域ごとの選別が進んでいます。

階数別データからは、高層階ほど専有面積が広く賃料も上昇する傾向が継続していますが、㎡単価は3階が最も高く、階数が上がるにつれて低下し、9階で再び上昇するというパターンが見られます。

5月の賃貸市場は全体として安定していますが、地域や物件特性による選別が進行しており、立地条件や建物グレードなど、より詳細な要素による二極化が進んでいると言えるでしょう。

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