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グローリア・ライフ・クリエイト(以下、GLC)が管理する関東一都三県の賃貸物件の情報を集計し、各行政区やエリアごとの平均賃料や㎡あたりの賃料データ、階数による違いなどについて分析した【2025年6月版】GLC賃貸市場レポートを公開します。

※本調査内容の転載にあたりましては、「グローリア・ライフ・クリエイト調べ」のクレジットを付記の上、ご使用いただきますよう、お願い申し上げます。

2025年6月 首都圏(一都三県)の賃貸データ

2025年6月の賃貸データです。首都圏全体で見ると、東京都(平均賃料65,768円)を中心に、神奈川県(59,578円)、埼玉県(59,910円)、千葉県(59,077円)と、同心円状に賃料が分布する構造が継続しています。前月と比較すると、東京都(-0.24%)、神奈川県(-0.54%)、埼玉県(+0.18%)、千葉県(-0.01%)と、全体的に小幅な調整となりました。

梅雨入りを迎えた6月は賃貸市場の安定期が継続しており、春先の繁忙期から落ち着いた動きとなっています。引き続き都心部ほど平均専有面積は小さく、㎡当たりの賃料は高くなる傾向が顕著です。東京都の㎡単価は3,628円と前月比で4.4%上昇し、高水準を更新しています。

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡単価(円/㎡)
東京都65,76818.983,628
神奈川県59,57821.142,959
埼玉県59,91025.562,416
千葉県59,07725.682,355

2025年6月 東京都の賃貸データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡単価(円/㎡)
千代田区82,50027.493,004
中央区77,00022.853,429
港区161,85747.253,745
新宿区77,58318.984,213
文京区141,76942.773,295
台東区90,37528.893,457
墨田区58,69215.503,835
江東区63,07014.544,391
品川区82,41722.163,856
目黒区83,28621.633,884
大田区68,52118.753,787
世田谷区81,03123.873,604
渋谷区78,86819.564,199
中野区81,71822.473,913
杉並区75,12920.603,787
豊島区70,31818.474,007
北区71,43222.283,443
荒川区61,11616.053,886
板橋区65,29018.693,565
練馬区67,88221.093,401
足立区54,09815.693,509
葛飾区54,42715.493,588
江戸川区63,12817.543,842
八王子市68,33326.322,597
立川市66,43817.523,824
武蔵野市74,36518.853,979
三鷹市60,25021.342,823
府中市61,05320.283,061
調布市68,57119.173,624
小金井市66,46420.213,413
小平市63,43528.422,410
国分寺市63,85419.243,327
国立市111,75053.212,117
狛江市66,33322.652,935
東久留米市72,47146.211,610
多摩市70,66725.842,764
西東京市67,67924.612,818

2025年6月版 東京都 GLCレポートサマリー

東京都全体の概要

  • 平均賃料:65,768円(前月比:-0.24%)
  • 平均専有面積:18.98㎡(前月比:+0.05%)
  • 平均㎡単価:3,628円(前月比:+4.40%)

地域別の特徴

都心三区では、港区の平均賃料が161,857円と前月から12.0%上昇し、都内最高水準を記録しました。千代田区(82,500円)、中央区(77,000円)は横ばいで推移しています。㎡単価は港区3,745円、中央区3,429円と高水準です。

城西エリアでは、世田谷区が81,031円と前月比21.3%上昇し大幅な回復を見せました。渋谷区は78,868円と前月比15.4%下落、新宿区は77,583円と前月比6.9%下落となっています。

城東エリアでは、江東区の㎡単価が4,391円と都内最高水準で、専有面積は14.54㎡と特に狭小です。墨田区も3,835円と前月比1.4%上昇し、高い㎡単価を維持しています。

城北エリアでは、文京区が141,769円と前月比5.0%上昇、足立区は54,098円と前月比4.3%下落しました。北区は71,432円と前月比11.2%上昇しています。

2025年6月の東京都の賃貸傾向

東京都の賃貸市場は6月に入り小幅な調整局面を迎えていますが、㎡単価は4.4%の大幅上昇となり、効率性重視の傾向が強まっています。港区の大幅上昇と世田谷区の回復、渋谷区・新宿区の調整など、エリア間での格差拡大と選別が進行しています。専有面積は微増し㎡単価は大幅上昇で、立地とコンパクト性を重視する傾向が継続しています。高級住宅地である港区や文京区は引き続き高額エリアとしての地位を強化しており、足立区や葛飾区などは相対的に手頃な賃料水準を保っています。

2025年6月 神奈川県の賃貸データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡単価(円/㎡)
横浜市57,55219.782,975
川崎市67,60923.733,187
相模原市49,46724.472,158
横須賀市51,63619.672,629
平塚市59,85722.372,676
大和市51,34425.682,127

横浜市区別データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡単価(円/㎡)
鶴見区61,20720.423,053
神奈川区61,10718.793,337
西区58,64821.712,736
中区53,35118.472,909
南区53,65818.792,874
磯子区52,45918.352,862
金沢区54,44421.872,709
港北区61,19217.453,527
戸塚区53,00014.643,621
港南区52,25019.112,738
旭区53,90320.582,610
青葉区29,00016.251,785
保土ケ谷区67,13628.432,585

川崎市区別データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡単価(円/㎡)
川崎区61,00016.663,664
幸区66,12522.402,952
中原区63,25019.163,406
高津区83,40035.302,970
多摩区60,36819.453,184
麻生区61,83318.623,321

2025年6月版 神奈川県 GLCレポートサマリー

神奈川県全体の概要

  • 平均賃料:59,578円(前月比:-0.54%)
  • 平均専有面積:21.14㎡(前月比:-0.80%)
  • 平均㎡単価:2,959円(前月比:+5.30%)

地域別の特徴

横浜市は平均賃料57,552円(前月比:-5.76%)と調整局面にあります。港北区の㎡単価は3,527円と前月比0.6%上昇し高水準を維持、鶴見区(61,207円)も横ばいで推移しています。戸塚区は㎡単価3,621円と突出しています。

川崎市は平均賃料67,609円(前月比:+21.27%)と大幅上昇しました。高津区(83,400円)が最も高く、川崎区の㎡単価は3,664円と県内最高水準です。

相模原市は49,467円(前月比:-7.54%)と下落傾向にあります。

2025年6月の神奈川県の賃貸傾向

神奈川県では、川崎市が前月の大幅下落から一転して21.27%の大幅上昇となり、市場の変動が激しくなっています。横浜市は5.76%下落と調整局面にありますが、戸塚区など一部エリアでは高い㎡単価を維持しています。相模原市では7.54%下落し、郊外エリアでの需要減少が見られます。全体としては賃料が小幅下落、専有面積も縮小しており、コンパクトで効率的な物件への需要シフトが進んでいます。

2025年6月 埼玉県の賃貸データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡単価(円/㎡)
さいたま市61,55222.912,735
川越市56,60024.372,371
川口市63,71226.162,514
所沢市53,85721.782,471
春日部市61,07136.491,869
狭山市50,87527.051,882
草加市50,41722.062,278
越谷市61,00022.792,677
蕨市58,50017.113,430
戸田市68,00040.001,700
新座市81,25038.712,105
八潮市58,78324.792,383
富士見市56,55622.442,521
ふじみ野市69,94132.222,204

2025年6月版 埼玉県 GLCレポートサマリー

埼玉県全体の概要

  • 平均賃料:59,910円(前月比:+0.18%)
  • 平均専有面積:25.56㎡(前月比:+0.59%)
  • 平均㎡単価:2,416円(前月比:+2.67%)

地域別の特徴

さいたま市は平均賃料61,552円(前月比:+4.33%)と上昇、専有面積は22.91㎡(前月比:-6.49%)と縮小しました。

川口市は63,712円(+8.94%)と上昇、川越市は56,600円(-6.45%)と下落するなど、東西で対照的な動きが継続しています。新座市は81,250円と県内最高水準、戸田市は専有面積40.00㎡と特に広い物件が特徴です。

2025年6月の埼玉県の賃貸傾向

埼玉県は微増で推移していますが、地域差が継続しています。さいたま市では賃料上昇・専有面積縮小と効率性重視の傾向が見られる一方、川越市では下落が確認されています。川口市の上昇と川越市の下落という東西の対照的な動きは、都心アクセス重視の傾向を示唆しています。全体としては広い専有面積と手頃な賃料という特徴を維持しており、コストパフォーマンスを重視する層に魅力的です。

2025年6月 千葉県の賃貸データ

地域平均賃料(円)平均面積(㎡)賃料㎡単価(円/㎡)
千葉市45,70623.991,968
市川市64,89324.252,791
船橋市59,90924.492,523
松戸市56,23526.872,119
習志野市64,87526.742,426
柏市55,25025.322,215
八千代市50,62529.161,736

2025年6月版 千葉県 GLCレポートサマリー

千葉県全体の概要

  • 平均賃料:59,077円(前月比:-0.01%)
  • 平均専有面積:25.68㎡(前月比:+0.04%)
  • 平均㎡単価:2,355円(前月比:+2.31%)

地域別の特徴

市川市は64,893円(前月比:-3.93%)と県内最高水準を維持、船橋市は59,909円(-1.79%)、松戸市は58,275円から56,235円(-3.50%)と下落しています。特筆すべきは千葉市の45,706円(-16.14%)という大幅下落です。

2025年6月の千葉県の賃貸傾向

千葉県は前月の千葉市大幅上昇から一転して16.14%の大幅下落となり、市場の調整が顕著です。それでも平均賃料45,706円と一都三県で最も手頃な水準を維持しており、コストパフォーマンスの高さが魅力となっています。市川市や船橋市など東京アクセスが良好なエリアでも小幅下落となり、全体的に調整局面にありますが、広い専有面積と比較的手頃な賃料という特徴を保っています。

2025年6月 階数別賃貸データ

関東一都三県 階数別賃料・平均面積データ

階数平均賃料 (円)専有面積の平均 (㎡)賃料㎡単価 (円/㎡)
1階60,96718.483,443
2階65,96120.423,391
3階64,30318.813,642
4階70,21122.933,149
5階71,25024.412,893
6階73,13228.102,559
7階95,89538.512,889
8階90,72738.242,680
9階78,27327.942,793

東京都 階数別賃料・平均面積データ

階数平均賃料 (円)専有面積の平均 (㎡)賃料㎡単価 (円/㎡)
1階62,18417.603,647
2階67,69820.043,538
3階65,02317.733,863
4階72,31922.453,298
5階76,50024.473,049
6階84,69431.972,563
7階130,44454.033,114
8階88,50036.852,814
9階100,71429.313,515

階数別の特徴

  • 低層階(1〜2階): 1階平均賃料60,967円、専有面積18.48㎡。2階は65,961円、20.42㎡。㎡単価は3,400円台と高め。全体物件数の約76%が集中。
  • 中層階(3〜5階): 3階平均賃料64,303円、専有面積18.81㎡。5階になると71,250円、24.41㎡と拡大。3階の㎡単価は3,642円と特に高い。
  • 高層階(6〜9階): 7階が平均賃料95,895円、14階が219,400円と最高。7・8階は38㎡超と最も広い。10階以上では㎡単価が3,400円台に上昇。

階数別賃貸市場の傾向

階数が上がるほど賃料・専有面積が上昇する傾向が継続しています。㎡単価は3階で最高となり、中層階で一旦低下後、高層階で再び上昇するパターンが見られます。東京都では階数による格差がさらに顕著で、7階物件は一都三県平均より約36%高い賃料を維持しています。眺望や日当たりなどの付加価値が高層階で評価されている一方、コストパフォーマンスでは中層階が有利な構造となっています。

まとめ

2025年6月の首都圏賃貸市場は、春の繁忙期を経て安定期が継続し、全体的に小幅な調整となりました。東京都(-0.24%)、神奈川県(-0.54%)で微減、埼玉県(+0.18%)、千葉県(-0.01%)ではほぼ横ばいとなっています。

地域別では、東京都の港区(+12.0%)と世田谷区(+21.3%)の大幅上昇、渋谷区(-15.4%)と新宿区(-6.9%)の調整、神奈川県の川崎市(+21.27%)と横浜市(-5.76%)の対照的な動き、千葉県の千葉市(-16.14%)の大幅下落など、同じ都県内でも激しい選別が進んでいます。

階数別データからは、14階219,400円を頂点として、高層階ほど専有面積が広く賃料も上昇する傾向が継続していますが、㎡単価は3階が最も高く、階数による付加価値とコストパフォーマンスの二極化が見られます。

6月の賃貸市場は全体として安定していますが、㎡単価の上昇(東京都+4.4%、神奈川県+5.3%)が顕著であり、コンパクトで効率的な立地条件を重視する傾向が強まっています。地域や物件特性による選別がさらに進行しており、立地条件や建物グレードなど、より詳細な要素による二極化が加速していると言えるでしょう。

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