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グローリア・ライフ・クリエイト(以下、GLC)が管理する関東一都三県の賃貸物件の情報を集計し、2025年第2四半期(4~6月)の3ヶ月間における各行政区やエリアごとの平均賃料や㎡あたりの賃料データ、階数による違いなどの推移について分析した【2025年2Q(4~6月)】GLC賃貸市場レポートを公開します。

春の引越しシーズンから夏の安定期への移行期間となった2025年第2四半期において、首都圏賃貸市場では㎡単価の大幅上昇と地域間選別の加速という2つの大きな変化が確認されました。

※本調査内容の転載にあたりましては、「グローリア・ライフ・クリエイト調べ」のクレジットを付記の上、ご使用いただきますよう、お願い申し上げます。

2025年2Q(4~6月) 首都圏(一都三県)の賃貸データ推移

一都三県 3ヶ月推移データ

地域項目4月5月6月変動率(4→6月)
東京都平均賃料65,566円65,927円65,768円+0.31%
平均面積18.97㎡18.97㎡18.98㎡+0.05%
賃料㎡単価3,457円/㎡3,475円/㎡3,628円/㎡+4.95%
神奈川県平均賃料59,501円59,901円59,578円+0.13%
平均面積21.17㎡21.31㎡21.14㎡-0.14%
賃料㎡単価2,811円/㎡2,811円/㎡2,959円/㎡+5.26%
埼玉県平均賃料59,780円59,800円59,910円+0.22%
平均面積25.41㎡25.41㎡25.56㎡+0.59%
賃料㎡単価2,353円/㎡2,353円/㎡2,416円/㎡+2.68%
千葉県平均賃料59,130円59,086円59,077円-0.09%
平均面積25.65㎡25.67㎡25.68㎡+0.12%
賃料㎡単価2,305円/㎡2,302円/㎡2,355円/㎡+2.17%

一都三県 推移サマリー

2025年第2四半期(4~6月)の首都圏賃貸市場は、春の繁忙期から安定期への移行しているようです。最も注目すべきは㎡単価の大幅上昇で、東京都で+4.95%、神奈川県で+5.26%と顕著な上昇を記録しました。

賃料推移では東京都が微増(+0.31%)を維持する一方、神奈川県(+0.13%)、埼玉県(+0.22%)でも小幅上昇、千葉県のみ微減(-0.09%)となりました。

専有面積は全体的にほぼ横ばいで推移しており、賃料上昇の主因は㎡単価上昇にあることが明確です。これはコンパクトで効率的な立地重視の傾向が強まっていることを示唆しています。

2025年2Q(4~6月) 東京都賃貸データ推移

東京都 3ヶ月推移データ

東京都4月5月6月変動率
(4→6月)
平均賃料65,566円65,927円65,768円+0.31%
平均面積18.97㎡18.97㎡18.98㎡+0.05%
賃料㎡単価3,457円/㎡3,475円/㎡3,628円/㎡+4.95%

東京都主要エリア動向

都心三区の動向

  • 港区: 144,500円(4月)→ 144,500円(5月)→ 161,857円(6月)と+12.0%の大幅上昇
  • 千代田区・中央区: 横ばい推移で安定

城西エリアの特徴

  • 世田谷区: 80,939円(4月)→ 66,780円(5月)→ 81,031円(6月)と大幅な変動
  • 渋谷区: 78,868円(4月)→ 93,250円(5月)→ 78,868円(6月)と調整局面

城東エリアの特徴

  • 江東区: ㎡単価が4,337円(4月)→ 4,336円(5月)→ 4,391円(6月)と都内最高水準を維持

東京都 推移サマリー

東京都の賃貸市場は2Q期間中に㎡単価の大幅上昇(+4.95%)が最大の特徴となりました。特に港区では6月に12.0%の大幅上昇を記録し、高級住宅エリアでの需要増が顕著です。

一方で、渋谷区や世田谷区では月間変動が激しく、エリア間での選別が加速しています。江東区は引き続き都内最高水準の㎡単価を維持しており、コンパクトながら利便性の高い物件への需要が継続しています。

2025年2Q(4~6月) 神奈川県賃貸データ推移

神奈川県 3ヶ月推移データ

神奈川県4月5月6月変動率
(4→6月)
平均賃料59,501円59,901円59,578円+0.13%
平均面積21.17㎡21.31㎡21.14㎡-0.14%
賃料㎡単価2,811円/㎡2,811円/㎡2,959円/㎡+5.26%

神奈川県主要都市動向

横浜市・川崎市の対照的な動き

  • 横浜市: 57,492円(4月)→ 61,068円(5月)→ 57,552円(6月)と変動が激しい
  • 川崎市: 67,839円(4月)→ 55,754円(5月)→ 67,609円(6月)と大幅な上下動

神奈川県 推移サマリー

神奈川県は2Q期間中に㎡単価が+5.26%と大幅上昇し、一都三県で最も高い上昇率を記録しました。横浜市と川崎市で激しい変動が見られ、市場の調整局面が継続しています。

6月時点では川崎市が21.27%の大幅上昇を示す一方、横浜市は調整局面にあり、地域間格差が拡大しています。全体として効率的な物件への需要シフトが進行中です。

2025年2Q(4~6月) 埼玉県賃貸データ推移

埼玉県 3ヶ月推移データ

埼玉県4月5月6月変動率
(4→6月)
平均賃料59,780円59,800円59,910円+0.22%
平均面積25.41㎡25.41㎡25.56㎡+0.59%
賃料㎡単価2,353円/㎡2,353円/㎡2,416円/㎡+2.68%

埼玉県主要都市動向

さいたま市の安定推移

  • 4月: 61,552円 → 5月: 59,000円 → 6月: 61,552円と回復

東西格差の継続

  • 川口市: 東京近接エリアとして高水準維持
  • 川越市: 西部エリアとして変動あり

埼玉県 推移サマリー

埼玉県は最も安定した推移で、㎡単価は+2.68%と適度な上昇となりました。賃料・専有面積ともに微増で推移しており、コストパフォーマンス重視の層に継続的な魅力を提供しています。

東京近接エリアである川口市やさいたま市では堅調な需要が継続し、都心アクセス重視の傾向が見られます。

2025年2Q(4~6月) 千葉県賃貸データ推移

千葉県 3ヶ月推移データ

千葉県4月5月6月変動率
(4→6月)
平均賃料59,130円59,086円59,077円-0.09%
平均面積25.65㎡25.67㎡25.68㎡+0.12%
賃料㎡単価2,305円/㎡2,302円/㎡2,355円/㎡+2.17%

千葉県主要都市動向

千葉市の大幅変動

  • 4月: 46,000円 → 5月: 54,500円(+18.48%) → 6月: 45,706円(-16.14%)と激しい変動

西高東低構造の継続

  • 市川市・船橋市: 東京アクセス良好エリアとして高水準維持

千葉県 推移サマリー

千葉県は**唯一賃料が微減(-0.09%)**となりましたが、㎡単価は+2.17%上昇しており、効率性重視の傾向は他県と同様です。

千葉市での激しい変動が特徴的で、県庁所在地でありながら市場の調整圧力を受けています。一方で、市川市や船橋市など東京アクセス良好エリアでは安定した需要が継続しています。

2025年2Q(4~6月)階数別賃貸データ

関東一都三県 階数別推移データ

階数4月平均賃料(円)5月平均賃料(円)6月平均賃料(円)4月専有面積(㎡)5月専有面積(㎡)6月専有面積(㎡)
1階61,55361,63160,96718.9118.8818.48
2階65,91566,00165,96120.5020.5220.42
3階63,95064,09564,30318.6918.7518.81
4階69,92069,92070,21122.7822.7822.93
5階74,07174,64971,25026.0326.3424.41
6階72,83872,83873,13228.1028.1028.10
7階95,89595,89595,89538.5138.5138.51
8階90,72790,72790,72738.2438.2438.24
9階78,27399,25078,27327.9440.6127.94

東京都 階数別推移データ

階数4月平均賃料(円)5月平均賃料(円)6月平均賃料(円)4月専有面積(㎡)5月専有面積(㎡)6月専有面積(㎡)
1階62,62262,72262,18417.8317.8017.60
2階67,55167,65367,69820.0020.0420.04
3階64,59564,76965,02317.6317.7117.73
4階71,95771,95772,31922.2622.2622.45
5階80,65881,33376,50026.8527.3024.47
6階84,69484,69484,69431.9731.9731.97
7階130,444130,444130,44454.0354.0354.03
8階88,50088,50088,50036.8536.8536.85
9階100,714100,714100,71429.3129.3129.31

階数別市場動向サマリー

低層階(1~3階)の特徴

  • 全体物件数の約76%が集中する主力層
  • ㎡単価は3,400円台と高めだが、専有面積は18~20㎡と狭い
  • 賃料は61,000~65,000円で安定推移

中層階(4~6階)の特徴

  • 4階から専有面積が拡大し、22~28㎡となる
  • 5階で一時的な調整が見られるものの、全体的に上昇傾向
  • ㎡単価は効率的な水準

高層階(7~9階)の特徴

  • 7階が最高グレード:95,895円、38.51㎡と突出
  • 東京都7階は130,444円と高級物件として位置づけ
  • 眺望・日当たりなどの付加価値が評価される

階数別トレンド 2Q期間中の階数別動向では、7階物件の希少性とプレミアム性が際立っています。東京都では7階物件が130,444円と一都三県平均より36%高い結果でした。

一方で、3階の㎡単価が最も高いという特徴は継続しており、階数による付加価値とコストパフォーマンスの二極化構造が定着しています。

まとめ

2025年第2四半期(4~6月)の首都圏賃貸市場は、㎡単価の大幅上昇が最大の特徴となりました。東京都(+4.95%)、神奈川県(+5.26%)での顕著な上昇は、コンパクトで効率的な立地重視の市場トレンドを示しています。

地域別動向では、東京都の港区(+12.0%)や世田谷区の回復(+21.3%)、神奈川県の川崎市(+21.27%)など、同一都県内でも激しい選別が進行しています。一方で、渋谷区や横浜市では調整局面にあり、二極化の加速が確認できます。

階数別分析では、階数による価値の差別化が定着しています。

市場展望として、春の繁忙期を経た安定期において、立地条件・建物グレード・専有面積効率性などの詳細要因による選別がさらに進行しており、今後も質重視の市場構造が継続すると予想されます。賃貸市場は量的拡大から質的向上へのシフトが明確となった四半期でした。

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